こんにちは、看護師の鈴木です。
年末年始はどの様にお過ごしでしたか?☺️
今年はお家でゆっくり過ごした方も
多かったのではないでしょうか。
今日は1月から4月に必要な予防について
お話しいたします。
【1月から4月に必要な予防】
1月から4月は気温も低く、
また12月でフィラリア予防が終了したため
ついつい予防について忘れがちです。
しかし、気温の低い1月から4月でも
「ノミ・マダニ」予防は必要です。
【冬でも予防は必要なの?】
ノミ・マダニは基本的には寒い冬には
活動できません。
しかし、最近は室内飼いのご家庭が多く、
冬場暖房器具にて温度調節されています。
そのため、冬場でも温度調節された温かい室内は
ノミ・マダニにとっても
活動しやすい環境となっているのです。
【ノミ・マダニが及ぼす影響】
■ノミ
ノミに吸血されるとノミの唾液に
アレルギー反応を示し激しい痒みに襲われます。
また、「瓜実条虫」という寄生虫を
媒介しています。
瓜実条虫はグルーミングを通して体内に入ることで
寄生し、便に白い米粒の様な形で出てきます。
他にも「ヘモバルトネラ」という赤血球に寄生して
貧血を起こす寄生虫もノミが媒介しています。
■マダニ
マダニは「バベシア」という寄生虫を媒介し、
若くて健康な動物でも死に至る様な重度の貧血を
起こします。
また、「SFTS(重症熱性血小板減少症)」という
病気も媒介しています。
特に、この病気には注意が必要で
SFTSはマダニが動物や人間に付いて
吸血することで感染します。
SFTSはとても怖い病気で、
動物にも人にも感染する人獣共通感染症で
感染した動物から人へと感染する場合もあります。
SFTSはあまり公にはなっていませんが
人では毎月のようにSFTSに感染して
重症化または死亡したという報告があります。
【ノミ・マダニの生態】
ノミ・マダニはとても生命力、繁殖力の
強い虫です。
■ノミ
実際ノミが動物の体に寄生していた場合、
寄生しているノミを100とすると
そのうち5%は成虫として、残りの95%は
卵・幼虫・サナギとしてカーペットや家具の下、
ペットの寝具などに潜んでいます。
目視できる量より何倍も多く環境中にいる
という事なんです。
そして、ノミは気温が13度あれば活発に活動
できます。
ノミは成虫になる前のサナギの状態で
200日以上生きることができ、
気温が13度以下では多くのノミがサナギの状態で
暖かくなる時期が来るのを待っているのです。
■マダニ
マダニは1度に何千もの卵を産みます。
卵から孵化した幼ダニは小動物や爬虫類に寄生して
吸血し、その後、地上にて脱皮し若ダニへと
成長し哺乳類に寄生します。
哺乳類の血を吸い地面に落ちた若ダニは、
また脱皮して成ダニへと成長するのです。
自分の体がパンパンになるまで血を吸って
地面に落ちているマダニを見ると
一見死んだ様にも見えますが、その後何度も
脱皮を繰り返して生きているのです。
成ダニは宿主(寄生される側の動物や植物のこと)
上で交配し
時に1度に複数のマダニ媒介性疾患を伝播する
こともあります。
【ノミ・マダニが寄生していたら…】
■ノミ
ノミが寄生していると、黒い点々とした
ノミのフンが体に付着します。
ノミは動物の血を吸血するので、
ノミのフンを濡れたティッシュなどで
潰してみると、赤くにじみます。
黒い点々が付着していて、濡れたティッシュで
潰して赤くにじんだら
ノミのフンであることが分かります。
ノミ自体は動物の毛の間に器用に隠れているため、
なかなか見つけにくいです。
そのため、ノミのフンがポロポロと体に
付着していたらノミが寄生しているサインです!
■マダニ
マダニの体は茶色〜赤茶色の色をしているため、
よく血豆と見間違えやすいです。
しかし、よく見ると足が生えています。
マダニが寄生していたときに注意してほしいのが
「引っ張って取らないこと」です。
マダニは吸血する顎の部分をしっかりと
皮膚に差し込み、唾液と共に分泌する
セメントの様なもので離れない様にしっかりと
皮膚に固定しています。
そのため、無理に引っ張って取るとマダニの体だけ
引きちぎれて
マダニの頭部が皮膚に刺さって残ったまま
になってしまいます。
マダニか血豆か分からない時は、
まずは動物病院へ行きましょう。
【ノミ・マダニ予防薬】
ノミ・マダニ予防薬は、ノミ・マダニが
体に付かない様にバリアするものでは無く
体に付いた虫を駆除する「駆虫薬」という分類の
薬です。
毎月しっかりとノミ・マダニ予防をされている方は
ノミ・マダニが動物の体に付いていたとしても
効き目の早い薬で、
ノミは6時間以内、マダニは24時間以内に駆除
できます。
効き目の遅い薬でも
ノミは24時間以内、マダニは48時間以内に薬の成分
で自然に落ちるので
その後、しっかりと室内の掃除をしましょう。
5月から12月まではフィラリア予防と一緒に
予防したのに、冬場に予防をしなかったために
春先に一気に繁殖してしまった…
という事にならない様に
しっかりと1月から4月までも予防を行いましょう。