みなさん、こんにちは。院長の諏訪です。
気づけば11月も中旬です。今年もあと少しとなってきました。
公園に行くと紅葉がとても綺麗です。
10月は学会参加や、狂犬病集合注射などで
休診をいただきご迷惑をおかけいたしました。
来年からは学会も現地開催となることが多くなり、
休診をいただく日も増えると思います。
ご迷惑をおかけいたしますが、
ご理解のほどよろしくお願いいたします。
本日は「褥瘡(じょくそう)・床ずれ」の
お話をしたいと思います。
はじめに
動物も高齢化が進んでいます。
腎臓病の研究により
猫は30歳まで生きることができるようになるかも!?、
と話題になっています。
この様な研究は本当に素晴らしいと思います。
高齢化が進むにつれていいこともたくさんありますが、
大変なこともあります。
その中の一つが「褥瘡・床ずれ」です。
人でも同じ様に床ずれが問題となることがありますが、
中型犬や大型犬の寝たきりの子にも
多く見られる傾向にあります。
床ずれの原因とは?
床ずれは一定の場所に力がかかることによって、
血流が不足することで、
皮膚に穴が開いてしまうことで起こります。
ずっと寝たきりになると、
骨が当たる場所に一定の力がかかります。
少し画像は字も汚く醜くて申し訳ありませんが、
このように皮膚が押されて、血流が悪化し、
皮膚に穴が開いてしまうのです。
床ずれの起きやすい場所
床ずれは骨が出っ張って触れるところに起きやすいです。
犬では特に図の赤い丸の部分に起きやすいと考えられます。
高齢になり、寝たきりが多くなると、筋肉が減ってしまい、
これまでは触れなかった骨が触れるようになると思います。
この部分が床ずれの起きやすい部分です。
床ずれにさせないためには
床ずれは起こってしまうと、その治療はとても大変です。
元々筋肉が少なくなり、血流も悪くなっているため、
なかなか治りません。
ですので、起こらないようにするのが第一です。
先程も書きましたが、床ずれの原因は一定の力が
かかってしまうことにあります。
なので、一定の圧力がかからないようにすることが
予防法になります。
具体的には
・寝返りを何度もさせる
・低反発のマットにして圧力をかけない
・骨が触れる部位に力がかからないようにする
などです。
ちなみに治療も同じ様に考えます。
①の力を分散させるイメージです。
予めなりやすいところを知っておくことで、
そのフォローもしやすくなると思います。
床ずれの治療、予防法
とはいっても、介護はとても大変です。
がんばっていても床ずれが
起きてしまうことはよくあります。
そんな時、いつも思うこととなのですが、
飼い主様自身を責めないでいただきたいです。
仕方ないことはあると思います。
そういう時はかかりつけの先生に相談しましょう。
治療といってもいろいろあります。
まずは開いてしまった皮膚の穴に対して治療をします。
きれいにしたり、不良な組織を切除したり、
場合によっては縫合したりします。
一般的にはドレッシング剤を用いて、
浸潤療法を行なったりします。
ドレッシング剤は1日1-2回交換が必要になることもあります。
ドレッシング剤にも様々なものがありますので、
これも獣医さんに相談してみてください。
つぎに床ずれにかかる力を分散させることです。
これが正解!というものはないため、
いろいろな道具を準備し、
その子その子の床ずれの状態に合わせて
できることを考えましょう!
僕の拙い絵で申し訳ありませんが、
イメージとしてはこの画像の様な感じになります。
床ずれの部位にドレッシング剤をあて、
その周囲をクッションや低反発マットなどで、
覆ってあげます。
さいごに
今回は高齢の子に多い褥瘡・床ずれについて
書かせていただきました。
何か一つでも参考になれば幸いです。
床ずれは多くの患者様を悩ませる病気です。
予防も大変で、治療も長期にわたり
なかなか治らないこともしばしばです。
一人で悩まずに、かかりつけの先生に相談してみてください。