学会発表や論文など

みなさん、こんちには。院長の諏訪です。
すっかり春らしくなり暖かくなりました。
気づけば3月もあと少しです。
今年も1/4が終わろうとしています。
一年の目標、一月の目標、一日の目標をしっかりと決め、
毎日を大切に過ごしていかないと、
あっという間に2022年も終わってしまいますね。

学会発表報告

第18回日本獣医内科学アカデミーにおいて、
当院看護師である鈴木が
「犬における網状赤血球のHeilmeyer分類の評価」
を発表いたしました。

 

 

1年以上にわたる学会発表の準備を仕事の合間や休みを使って行いました。
本来であれば多くの獣医師の先生方、看護師の方々の前で
発表したいところでしたが、残念ながら今回はオンラインでの発表となりました。
それでもこの報告が少しでも獣医療の発展に寄与できればと思います。
今後も獣医学の進歩のため、当院は学会発表を続けていきます。

【重要なお知らせ】

繰り返しの記載になりますが、
当院は2022年4月より診療時間の一部を変更させていただきます。
その詳細については「お知らせ」のほうに掲載しております。
皆様には多大なご迷惑、ご不便をおかけすることとなりますが、
ご確認、そしてご理解のほど、何卒よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

本日のお話

僕のブログが難しい難しいと書いていますが、
最近は飼い主様に「読んでますよ」とお声がけいただく機会が
何度かあります。
自分のためにやっているだけなのですが、とても励みになります!
勉強のモチベーションを上げていただいています!!
ありがとうございます!!!

 

 

 

 

 

 

本日紹介する論文は
「がんの犬におけるロムスチン投与による好中球減少症の発症リスク要因について」
です。

ロムスチン(CCNU)は飲むタイプの抗がん剤で、
その副作用として骨髄抑制(好中球減少症)が強いことが知られています。
本研究で対象となったのは115例のがんと診断された犬です。

年齢中央値は7歳(1-14歳)、体重中央値は27.6kg(3-74kg)でした。
CCNU投与量の中央値は63.5mg/m2(27.7-84.9mg/m2)でした。
その結果、好中球減少症は75例(65%)で発生し、
その内訳は、グレード1(28%)、2(16%)、3(29.3%)、4(26.7%)でした。
グレードというのは好中球減少症の激しさを表しています。

腫瘍の種類(組織球性肉腫)、CCNUが初回投与、70mg/m2以上の投与量、
併存疾患がないこと、アントラサイクリン系薬剤の投与歴は、
高グレードの好中球減少症の発生リスクの増加と有意に関連していました。
また死亡率は1.7%であったと報告されています。

組織球性肉腫の犬にCCNUを第一選択として、70mg/m2以上で使用する場合、
さらに併存疾患がない症例、またはアントラサイクリン系薬剤の既往がある症例では、
好中球減少症を発症するリスクが増加する可能性があると結論づけられています。
これらのデータは、治療決定の指針となり、
治療の遅れや生命を脅かす可能性のある合併症を最小限に抑えることができるかもしれません。
海外の報告ですので、犬種や体重など、
日本とは違いがあることなどは留意する必要があります。

今回はabstractの部分しか読んでいないので、
詳細を把握できていません。
気になる先生方は論文本文を参考にしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真はドナーとして頑張った後のご褒美をもらうあずきです。
かわいすぎます。

原文はコチラ→Risk factors associated with the onset of lomustine-induced neutropenia in tumour-bearing dogs

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