ノミ・マダニ予防

みなさんこんにちは。看護師の鈴木です。

昼は半袖でもちょうど良いくらい暖かくなってきました。

今年の夏はどれほど暑くなるのでしょうか…😅

さて今日は、これからの季節に発生のピークを迎える

ノミ・マダニについてお話しします。

ノミ・マダニの活動シーズン

ノミ・マダニの発生気温は、

ノミは13℃以上、マダニは20℃以上で活発になると

言われています。

つまり、まさに今、活動シーズンを迎えているのです。

ノミ・マダニの本当の怖さ

ノミやマダニが愛犬・愛猫の体に付くのは気持ちが悪いですよね。

多くの方は虫が体に付かないように予防をする、

という考えで予防をされているかと思います。

しかし、本当の怖さは病気を媒介するところにあります。

ノミもマダニも体に寄生し吸血をします。

その血を吸うときに細菌やウイルスが体内に侵入します。

【ノミが媒介する病気】

瓜実条虫

グルーミングなどを通してノミが口から体内へ入ることで

寄生し便から米粒のような虫が出てきます。

消化管に寄生するため軟便・下痢などを起こします。

マイコプラズマ感染症

マイコプラズマという細菌が赤血球に寄生し貧血を起こす

病気です。

食欲低下や発熱、貧血により呼吸が苦しそうなどの症状が

あらわれます。

下記の写真が赤血球にマイコプラズマが寄生している写真です。

紫の球状のものが赤血球で、

赤血球の辺縁にある濃い紫の斑点がマイコプラズマです。

【マダニが媒介する病気】

バベシア症

バベシア症はバベシアが赤血球に寄生して破壊することで

貧血を起こす病気です。

食欲低下や発熱、黄疸、血色素尿などの症状があらわれます。

重症化すると死に至ることもあります。

特に西日本で多く発生しており、福岡県も注意が必要です。

また、バベシア症は一度感染すると完治することは少なく

治療をし症状がなくなったとしても生涯にわたり

キャリアとして生きていくことが多いです。

※キャリアとは:症状はないが持続的に感染している状態にあること

下記の写真が赤血球にバベシアが寄生している写真です。

矢印で示しているのが赤血球に寄生しているバベシアです。

重症熱性血小板減少症(SFTS)

SFTSウイルスをもっているマダニに噛まれることで感染

する病気です。

元気・食欲低下や発熱、黄疸、嘔吐などの症状があらわれます。

特に猫では死亡率が60%以上という非常に危険な病気です。

また、SFTSは人にも感染する病気でSFTSに感染した

動物の体液に直接触れることで感染します。

SFTSは厚生労働省のホームページにも病気のことや

SFTSに関するQ&Aなどもあり

近年では特に啓発されている病気です。

↓SFTSなどの最新の動物由来感染症の発生状況について↓

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001164499.pdf

ノミ・マダニは予防がとても大切

上記にあるように、バベシア症などは一度感染すると

治ることが少ない病気です。

また、消化管に寄生したり血球に寄生したり

目に見えないところで病気が進行していきます。

また、その病気が人にもうつってしまうなど、

「虫が体についていた」だけでは済まないのです。

そのため、毎月の予防がとても大切なのです。

当院ではノミ・マダニ予防は通年の予防を推奨しています。

予防薬にもいくつか種類があるため、その子に合った

予防薬を選ぶことができます。

予防薬について分からないことがあれば気軽にご相談ください。

当院の予防薬一覧

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