みなさん、こんにちは、院長の諏訪です。
毎日がすごい勢いで過ぎていきます。
心に余裕を持ちたいといつも思っていますが、
なかなか難しいですね。。
休診日が多くなってます!
9月27-28日は学会参加のため休診となります。
翌週の10月5日も学会のお仕事のため休診となります。
今年の9-11月は学会等が非常に多く、休診日が多くなっております。
ご来院される前にホームページ等でチェックしてください。
診療日の受付時間は9:00-11:30 16:00-18:30、
初診の方の受付時間は9:00-10:30 16:00-17:30となっております。
当院は予約制ではないため、待ち時間も長くなることがあります。
お時間に余裕を持ってご来院ください。
ご理解、ご協力、いつもありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
はじめに
猫の鼻腔腫瘍は比較的まれな疾患ですが
進行すると「呼吸困難や顔面の変形」など深刻な症状を引き起こす可能性があります。
初期にはくしゃみや鼻水といった症状から始まるため、
飼い主様が気付かない事も多々あります。
鼻腔腫瘍とは
鼻腔腫瘍は「鼻の内部や副鼻腔に発生する腫瘍」の総称で、
良性と悪性の両方がありますが、猫では悪性腫瘍の頻度が高いとされています。
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代表的な腫瘍タイプ 
 •扁平上皮癌
 •リンパ腫
 •腺癌
 •骨肉腫や軟骨肉腫などの肉腫
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好発年齢 
 •中高齢の猫に多く見られます
症状
初期の症状は風邪のような軽いものですが、徐々に進行していきます。
 ⚪︎慢性のくしゃみ
 ⚪︎鼻水(血が混じることも)
 ⚪︎鼻づまり、呼吸音の異常(いびき様)
 ⚪︎顔面の左右非対称や腫れ
 ⚪︎眼球突出や視覚障害(眼窩への浸潤)
 ⚪︎食欲不振、体重減少
診断のための検査
鼻腔腫瘍は内視鏡や画像診断を用いて精密に評価します。
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身体検査と問診 
 ・鼻の通気性や顔面の変形を確認します。
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X線検査 
 ・鼻腔内の骨破壊や腫瘤陰影を評価します。
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CT検査またはMRI検査 
 ・腫瘍の正確な位置、範囲、隣接組織への浸潤を把握します。
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鼻鏡検査(内視鏡)と組織採取 
 ・鼻腔内を観察し、組織を採取して病理検査を行います。
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血液検査、FIV/FeLV検査(ウイルス検査) 
 ・全身状態を評価し、転移や併発疾患の確認を行います。
治療法
鼻腔腫瘍の治療は、腫瘍の種類や進行度によって選択されます。
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放射線治療 
 鼻腔腫瘍に対して最も効果的とされる治療法です。
 外科的切除が困難な場所にも適応可能です。
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化学療法 
 リンパ腫など特定の腫瘍に対して有効とされています。
 単独または放射線治療と併用されることがあります。
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外科的切除 
 一部の腫瘍で限局している場合に適応になります。
 ただし、猫の鼻腔腫瘍は外科単独での根治は困難なことが多いです。
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支持療法 
 痛みや鼻づまりを軽減するための対症療法を行います。
 抗生物質や抗炎症薬、ネブライザーなどが用いられることがあります。
予後
鼻腔腫瘍の予後は腫瘍の種類と治療反応によって大きく異なります。
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扁平上皮癌や腺癌:局所進行性でありながら遠隔転移は少ないとされています。 
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リンパ腫:化学療法に良好に反応するケースもあります。 
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治療を受けなかった場合、数ヶ月以内に悪化するケースが多いです。  
おわりに
猫の鼻腔腫瘍は早期発見が難しい腫瘍の一つですが
適切な診断と治療により症状を緩和し、生活の質を保つことが可能です。
くしゃみや鼻水が長引く場合は単なる風邪と判断せず
早めに動物病院で検査を受けることをお勧めします。
 
          
    





