みなさん、こんにちは。院長の諏訪です。
だいぶ涼しくなりました。
今年は秋が短く、冬はとても寒いとか。
四季の感じ方も時代とともに変わっていきますね。
柔軟性、適応する力が大切だと思います。
臨時休診日が多いです!
10、11月は学会参加のため、休診日が多くあります。
10月18、19、26日は臨時休診となります。
ご来院の前にホームページ等でご確認ください。
診療日の受付時間は9:00-11:30 16:00-18:30、
初診の方の受付時間は9:00-10:30 16:00-17:30となっております。
当院は予約制ではないため、待ち時間も長くなることがあります。
お時間に余裕を持ってご来院ください。
はじめに
骨肉腫(Osteosarcoma)は、骨に発生する『悪性腫瘍』の一つで犬ではよく見られますが、
猫では比較的稀です。ただし、猫においても発生することがあり、高齢猫での発症が多く
進行がゆっくりな傾向があるものの、放置すれば深刻な影響を及ぼす可能性があります。
骨肉腫とは
骨肉腫は、骨を形成する骨芽細胞が腫瘍化して発生する悪性腫瘍です。
骨の外側や内部に発生し、骨を破壊しながら進行していきます。
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発生部位
・四肢の長骨(特に後肢)
・骨盤、顎、頭蓋骨など -
猫の骨肉腫の特徴
・犬に比べ転移率が低く、比較的進行が遅いとされています。
症状
骨肉腫の症状は発生した部位によって異なりますが、以下のような兆候が見られることがあります。
⚫︎びっこを引く(跛行)
⚫︎骨の腫れやしこり
⚫︎運動を嫌がる、活動性の低下
⚫︎痛みを伴う触診反応
⚫︎食欲不振や元気消失(進行時)
診断のための検査
骨肉腫を診断するには、以下のような検査を行います。
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身体検査と触診
・骨の変形や腫脹、痛みの有無を確認します。 -
X線検査
・骨の破壊像(日食状欠損など)を評価します。 -
CT検査
・腫瘍の広がりや手術を計画する上で必要な情報を得るために使用されます。 -
細胞診または組織生検
・腫瘍細胞を採取して、確定診断を行います。 -
血液検査
・全身状態を評価し、麻酔や手術が可能かを確認します。 -
胸部X線検査
・肺転移の有無を確認。
治療法
骨肉腫の治療法は、腫瘍の位置や進行度に応じて選択されます。
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外科的切除
最も有効な治療法で、『完全切除』が可能であれば根治が期待できます。
四肢の場合、断脚(切断術)が行われることがあります。 -
放射線治療
手術が困難な部位や痛みの緩和に使用されることがあります。 -
化学療法
猫では転移率が低いため、化学療法は補助的に使用されることが多いです。 -
支持療法
「鎮痛薬や抗炎症薬」などを使い、痛みの管理をします
栄養管理や生活の質(QOL)を維持するためのケア
予後
⚪︎完全切除が成功した場合、予後は比較的良好とされ、1年以上の生存が期待できることもあります。
⚪︎転移がある場合や切除が不完全な場合は再発や進行のリスクがあります。
おわりに
猫の骨肉腫は稀な腫瘍ではありますが、早期に発見し適切な治療を行うことで
良好な経過をたどる可能性もあります。
日頃から愛猫の歩き方などを観察し、歩き方の異変や骨の腫れ、痛がる様子などが見られた場合には、早めに動物病院での検査をおすすめします。