みなさん、こんにちは。院長の諏訪です。
一気に肌寒い日が多くなってきました。
確かにもう11月です。
今年も残すところあと2ヶ月です。
10月18日-19日は休診をいただき、大阪で行われた
「第46回動物臨床医学会年次大会」に参加してきました。

今回は講師の仕事を1件、症例検討を1題、症例提示を1題、
発表させていただきました。
学会で発表などをすると自分が普段している診察や治療が
間違っていないか、もっといい治療はなかったか、
他の先生の診断治療のお手伝いなど、多くの学びを得られます。
土曜の始発から日曜の終電近くまでと体力的にはいっぱいですが、
脳はアドレナリンがばんばん出ている状態でした。
60分の講師のお仕事もとても楽しくお話しさせていただきました。

翌週の10月26日は休診をいただき、北九州で行われた
「第74回九州地区獣医師大会」に参加してきました。
ここでも症例発表を1題、発表させていただきました。
学会で得た知識を少しでも皆様に還元できるよう、
復習して身のあるものにしていきたいです。
臨時休診日が多いです!
11月も学会参加等のため、休診日が多くあります。
1、3、16、17、24日は臨時休診となります。
また15日は午前診療のみ、午後は休診となります。
ご来院される前にホームページ等でご確認ください。
また診療日の受付時間は9:00-11:30 16:00-18:30、
初診の方の受付時間は9:00-10:30 16:00-17:30となっております。
当院は予約制ではないため、待ち時間も長くなることがあります。
お時間に余裕を持ってご来院ください。
受付アプリ導入のお知らせ
このたび当院では、2025年11月12日よりその日の診療受付がご自宅からでもできる
受付アプリ「ペットPASS」を導入いたします。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください。
ご利用方法について
・現行(~11月11日まで):来院された方から順番に受付・診察
・11月12日以降:アプリで受付された順番に診察
※このアプリは「受付用アプリ」であり、時間を指定して予約するものではありません。
※電話での受付はできませんので、必ずアプリからご利用ください。
※直接来院しての受付も可能ですが、その場合はアプリで受付された方の後のご案内となります。
本日は犬の口腔内腫瘍についてです!
はじめに
犬の口腔内腫瘍は比較的頻度が高く、歯肉、舌、頬粘膜、口蓋などの部位に発生します。
良性の腫瘍も存在しますが「悪性腫瘍」であることも多く、進行すると口腔内の機能障害や
転移のリスクが生じます。特に【メラノーマ、扁平上皮癌、線維肉腫】は悪性度が高く注意が必要です。
口腔内腫瘍とは
犬の口腔内に発生する腫瘍にはさまざまな種類があります。
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悪性腫瘍
「メラノーマ(悪性黒色腫)」:最も一般的で、転移しやすい。
「扁平上皮癌」:局所浸潤が強く、骨に浸潤することも。
「線維肉腫」:比較的進行は遅いが、切除が困難なことがある。 -
良性腫瘍
「エプリス(歯肉腫):局所での切除により治癒が期待できる。-
乳頭腫など
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症状
初期にはあまり目立たないことも多いですが、進行すると以下のような症状が現れます。
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よだれが多くなる
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口臭が強くなる
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食欲低下、食べづらそうにする
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出血やしこり、潰瘍の形成
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顎の変形、顔面の腫脹
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歯が抜ける、歯並びが変わる
診断のための検査
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視診・触診
・口腔内のしこりや潰瘍を確認。 -
X線検査・CT検査
・顎骨への浸潤や腫瘍の広がりを確認。 -
細胞診または組織生検
・腫瘍の種類や悪性度を確認するために重要。 -
胸部X線検査・腹部超音波検査
・肺やリンパ節への転移を確認。 -
血液検査
・全身状態の評価。
治療法
治療は腫瘍の種類、進行度、発生部位、全身状態によって異なります。
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外科的切除
⚪︎最も基本的な治療法。
顎骨の一部を切除する場合もあります。
[可能な限り広範囲に切除することが推奨されます] -
放射線治療
⚪︎残存腫瘍がある場合や手術が困難な場合に用いられます。
緩和目的でも使用されます。 -
化学療法・免疫療法
⚪︎メラノーマには免疫療法(メラノーマワクチン)などが有効とされることもあります。
扁平上皮癌や線維肉腫には抗がん剤を併用する場合もあります。 -
支持療法
⚪︎痛みの管理、食事の工夫、抗生物質などを用いて対症療法を行います。
予後
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メラノーマ:転移率が高く、予後は一般に不良。
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扁平上皮癌:局所浸潤は強いが、完全切除できれば予後は比較的良好。
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線維肉腫:切除範囲によって再発の可能性あり。
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良性腫瘍の場合は切除によって治癒が期待できます。

おわりに
犬の口腔内腫瘍は、見た目にはわかりづらい場所に発生するため、発見が遅れがちです。
日常的に口の中を観察する習慣を持ち、食べづらそう、よだれが多い
口臭が強いなどの兆候がある場合には早めに動物病院で検査を受けましょう。






