猫のピルビン酸キナーゼ欠損症について|その貧血は遺伝性かも?
猫には品種によって遺伝性疾患とよばれる、遺伝子の変異が原因の病気があります。
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症は、遺伝性疾患の一つです。
猫を飼われているご家族の中には
「ピルビン酸キナーゼ欠損症ってどんな病気?」
「どんな品種の猫がなるの?」
「ピルビン酸キナーゼ欠損症って治る?」
といった疑問や心配事を持たれる方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、猫のピルビン酸キナーゼ欠損症について詳しく解説します。
ぜひ記事を最後まで読んで、ピルビン酸キナーゼ欠損症について理解を深めましょう。
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症とは?
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症は、赤血球の中に含まれるピルビン酸キナーゼという酵素が不足する病気です。
ピルビン酸キナーゼは赤血球の機能を保つための酵素で、不足すると赤血球が壊れてしまい貧血が起こります。
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症は遺伝性疾患で、遺伝子の変異によって起こります。
遺伝子の変異なので、親猫から子猫へと遺伝してしまう病気です。
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症になりやすい品種は?
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症は、
- アビシニアン
- ノルウェージャン・フォレスト・キャット
- ソマリ
- ベンガル
- メインクーン
- サイベリアン
などの品種がなりやすい病気です。
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症はどんな症状がでるの?
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症は、ピルビン酸キナーゼが不足することで赤血球が壊れます。
赤血球が壊れることで貧血を引き起こす病気です。
生後2~3か月齢から貧血を繰り返すため、貧血の状態に体が慣れてしまい症状があまり見られないこともあります。
貧血が重度になってくると
- 耳や歯ぐきの色が白っぽくなる
- 元気食欲がなくなる
- 歩くときにふらつく
- 運動すると疲れやすい
- 呼吸が早くなる
などの症状がみられます。
どうやって診断をするの?
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症は
- 血液検査
- レントゲン検査
- 超音波検査
- 遺伝子検査
などの検査で総合的に判断します。
貧血の症状や血液検査だけでは、他に貧血を引き起こす病気と区別がつかないことがあります。
必要な検査については獣医師としっかり相談しましょう。
ピルビン酸キナーゼ欠損症はどんな治療をするの?
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症は貧血が軽度であれば、運動を控えて安静に過ごすことで生活の質を保ちます。
貧血が重度の場合も、安静にすることは変わりません。
加えて赤血球を破壊する役割を持つ脾臓を手術で摘出することで、赤血球が減るのを抑える方法をとることもあります。
ピルビン酸キナーゼ欠損症は予防できる?
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症は遺伝子疾患であるため、効果的な予防法は存在しません。
遺伝子検査で発症リスクを調べて、リスクのある猫や発症した猫の繁殖を防ぐことが、今後病気が広がらないようにする方法になります。
まとめ
猫のピルビン酸キナーゼ欠損症は貧血を引き起こす遺伝子疾患です。
猫の元気食欲がなかったり、運動するとすぐに疲れてしまったりといった症状がみられる場合は、貧血の可能性があります。
動物病院で検査をしてもらい、貧血の原因を特定してもらいましょう。
当院は血液内科の診療に力を入れています。
猫の貧血が疑われる場合や、ピルビン酸キナーゼ欠損症かもしれないと思った場合はぜひ当院へご相談ください。
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