みなさん、こんにちは。
5月ですね。
桜の時期はあっという間に過ぎて、
花見をする暇もありませんでした。
それでもだいぶ暖かくて気持ちのいい季節になりました。
3、4月とフィラリア、狂犬病シーズンということもあり、
病院は混むことが多く、お待たせする時間が長くなりました。
大変ご迷惑をおかけいたしました。
いつもご理解、ご協力ありがとうございます。
心に余裕を持って毎日を過ごしたいです。
さて、今日は犬の骨肉腫の話です。
はじめに
骨肉腫は、犬における最も一般的な骨の悪性腫瘍であり、
大型犬や超大型犬に特に多く見られます。
この腫瘍は高い悪性度を持ち、
早期に診断をし適切な治療を行うことが重要になります。
骨肉腫とは
骨肉腫は、骨を形成する細胞が異常に増殖することで発生する悪性腫瘍です。
主に四肢の骨に発生しますが、稀に脊椎や頭蓋骨にも発生することがあります。
以下は骨肉腫の特徴です。
⚪︎発生部位:四肢の長骨(大腿骨、脛骨、上腕骨など)が多い。
⚪︎進行の速さ:早い段階で肺や他の部位へ転移することが多い。
⚪︎犬種の傾向:セントバーナード、グレートデーン、ゴールデンレトリバーなどの
大型犬種に多い。
症状
骨肉腫の症状は、腫瘍の進行に伴い次第に顕著になります。
以下は主な症状の例です。
- 跛行:最も一般的な初期症状。
- 骨の腫れや変形:患部に腫れやしこりが見られる。
- 痛み:患部を触ると痛がる。
- 骨折:腫瘍によって骨が弱くなり、軽い衝撃でも骨折することがある。
- 食欲不振や元気消失:全身状態が悪化します。
診断のための検査
骨肉腫を診断するために、以下のような検査が行われます。
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身体検査と触診 患部の腫れや痛みを確認します。
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X線検査 骨の異常や腫瘍の存在を確認するための基本的な検査です。
典型的には “日食” のような骨の破壊像が見られることがあります。 -
細胞診または生検 腫瘍から細胞や組織を採取し、顕微鏡で観察して診断を行います。
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CT検査またはMRI検査 腫瘍の広がりや隣接組織への侵入を評価するために行います。
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血液検査 全身状態を評価し、治療の適応を判断します。
治療法
骨肉腫の治療は、腫瘍の進行度や犬の体調によって異なります。
主な治療法を以下にご紹介します。
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外科的治療
◦ 患肢の切断が最も一般的な治療法です。疼痛管理が目的です。
◦ 転移を抑える目的で化学療法と併用されることが多いです。 -
化学療法
◦ 転移の予防や腫瘍の進行を抑えるために、抗がん剤を使用します。
◦ ドキソルビシンやカルボプラチンがよく用いられます。 -
放射線治療
◦ 痛みを緩和するために行われることがあります。 -
支持療法
◦ 鎮痛剤や抗炎症薬を使用して痛みを管理します。
予後
骨肉腫の予後は厳しい場合が多いです。
ですが治療により生活の質を向上させ、延命を図ることが可能です。
おわりに
骨肉腫は進行が速く、早期発見/早期治療が重要です。
愛犬の歩き方に異常が見られたり、
四肢や骨の腫れを発見した場合は、早めにご相談ください。