皆さんこんにちは!看護師の岡田です😊
最近、来院される飼い主様から
「お薬がうまく飲ませられない。」
「どうやっても飲んでくれない。」
と、ご相談を受けることが多くなりました。
その子の状態や病気によって服用する薬の種類や量はさまざま。
それに加え、その子の性格もさまざま。
だから、その子に合った薬の与え方を探してあげる必要があります。
そのためには、まず、
【なぜ薬を嫌がるのか?】
を、理解してあげましょう。
ペットが薬を嫌がる理由はいくつかあります。
・苦い味を覚えてしまった
薬の中には苦味があるものもあります。一度その苦味を味わってしまうと、次から薬を嫌がってしまうようになります。
・口を触られるのが嫌い
元々口周りを触られるのが苦手な子の場合、投薬はとても苦痛です。
・飼い主様の様子がいつもと違う
飼い主様が投薬に対して抱く不安など、ペットは敏感に察知して身構えてしまいます。
【苦い味を覚えてしまった】
この場合は、投薬用トリーツを使用するとうまくいく場合があります。投薬用トリーツとは、お薬を入れて包むことができるポケット付きのトリーツです。ペットが好む味で作られているため、嗜好性も◎
投薬用トリーツを使用する場合は丸呑みできる大きさかどうか確認します。丸呑みできず、噛んで中の薬の味に気づいてしまうことを防ぐためです。もし大きすぎる場合は半分にして使用するなど、工夫が必要です。
与える際、最初は薬が入っていないものを1、2個与え、もっと欲しいというそぶりを見せたら、薬入りのものを与えます。
また、普段から大好物を見つけておくと良いでしょう。お薬をどうしても飲んでくれない時、その大好物に埋め込んだり、包んだりして薬を与えます。
しかし、その子の状態や病気によっては避けた方がいい食べ物(おやつ)もあります。獣医師に確認してから与えるようにしてください。
【口を触られるのが嫌い】
口周りを触られるのが苦手な子にはウェットフードや先程ご紹介した投薬用トリーツに入れて与えると食べてくれる場合があります。
また、投薬器を使用するのも効果的です。
投薬器はうまく薬を口の奥に入れることができない飼い主様や、薬を嫌がって咬み付いてしまう子におすすめです。
口を触られるのが嫌な子に1番大切なことは、日頃から口を触ることに慣れさせておくことです。普段の楽しいスキンシップの中で頭や顔をなでつつ、口元も触ってあげましょう。「口を触ることは嫌なことじゃない」と、少しずつ覚えさせましょう。
【飼い主様の様子がいつもと違う】
飼い主様が投薬に対して抱く不安などのネガティブな気持ちはペットにも伝わってしまいます。薬がうまく飲めなかった時に叱ったり、イライラしたりすると、ペットがより警戒してしまい、逆効果です。できるだけいつも通り、リラックスして投薬を行うことが大切です。
また、その他のコツとして、1人が保定(動物が動かないようにおさえておくこと)し、1人が投薬をする、2人体制で行うとうまくいく場合があります。どうしても1人で与えなければいけない場合は、脇を使って保定したり、バスタオルなどでくるんで動きを制限すると与えやすくなります。
【最後に】
薬の種類によっては空腹時に投薬しなければいけないものや、食品と混ぜて与えない方がいいものもあります。用法・用量を守って与えることが前提です。投薬方法のコツやその子に合った投薬方法を知ると、ペットも飼い主様も投薬でのストレスを軽減することができます。どうしても投薬がうまくいかないときは1人で悩まず、獣医師や動物病院スタッフに相談してください。