骨髄検査について

みなさん、こんにちは。院長の諏訪です。
先週から一気に冷え込み出しましたね。
急な気候の変化は人も動物も身体をこわしやすいものです。
注意してみてくださいね。

さて、本日は「骨髄検査」のお話をしようと思います。

What’s 骨髄検査 ??

骨髄検査とは、骨に少し太めの針を刺して、骨髄液や組織を採取する検査で、
その症例の骨髄の状態を把握する検査になります。

骨髄をみて何がわかる?

骨髄検査をすることで、その症例のその時の骨髄の状態がわかります。
骨髄とは本来、血液を作っている場所(工場)になります。
血液とはこの場合、主に、白血球や赤血球、血小板のことをさします。
例えば、貧血がある症例がいるとします。貧血とは簡単に言うと赤血球が少ない状態です。
どこかでどんどん赤血球がなくなった(出血など)結果、貧血を起こしている場合や、
工場である骨髄で赤血球が作られなくなった結果、貧血を起こしている場合など様々な原因が
考えられます。このときに血液検査の結果から、赤血球が作られていない可能性が考えられた際に、
骨髄検査を実施することとなります。
骨髄検査をして、赤血球が作られない原因が例えば免疫の疾患である場合や、がんの転移である場合などを
把握することで、治療方針を決めていくととなります。

骨髄検査にはリスクがある?

骨髄検査は通常、鎮静や全身麻酔下で実施します。
特に骨髄検査を行う症例は重度の貧血を呈していたり、状態が悪かったりするため、絶対に安全とはいえません。

また、骨髄検査は前の足(上腕骨)や後ろの足(大腿骨)などから採取することが多いため、
検査後にその部位の痛みを伴うことがあります。
今年の12月に投稿された犬や猫、合わせて160頭に骨髄検査を実施した際の有害事象を調べた論文では、
Complications associated with bone marrow sampling in dogs and cats
14%の症例に有害事象をみとめ、そのほとんどが患部の痛みであったことが報告されています。
骨髄の採取箇所は1カ所〜6カ所と症例によって変わりますが、ほとんどの症例は1-2箇所の採取部位でした。
また、痛み以外で、好中球減少症や血小板減少症があっても感染や出血が起こることは稀でした。
さらに論文中では、その痛みを予防する方法として、局所麻酔薬の使用が効果的でした。

まとめ

骨髄検査は鎮静や麻酔が必要であるため、リスクは伴います。
さらに骨髄検査を必要とする多くの症例は、状態が悪く、ただでさえ亡くなってしまいそうな子が多いです。
ですが、骨髄の状態を把握することは、病気の種類によっては非常に重要です。
病気の原因がわかれば、その治療方針をしっかり定めることができるためです。

僕は骨髄検査の重要性をしっかりと説明しつつ、オーナー様の不安や心配を少しでも減らすことができるような
獣医師になりたいといつも思っています。

先日久しぶりになわとびをしました。
調子に乗って三重跳びを何度かしたら、翌日には筋肉痛にみまわれました。
何事も適度な運動が大切だと感じました。
今年も残すところあと1週間ほどになりました。
やり残したことを少しでも達成できるよう、ラストスパートですね!

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