みなさんこんにちは。看護師の鈴木です。
昼間の陽射しが少し暖かくなってきました。
今日は犬猫の避妊手術と乳腺腫瘍の発生率についてお話しします。
避妊手術とは
犬猫の避妊手術は、メス犬・メス猫が卵巣・子宮を摘出する
手術の事です。
文字通り、避妊手術をすると妊娠をすることは
出来なくなります。
避妊手術の1番の目的は将来の病気の予防です。
卵巣や乳腺の腫瘍、子宮などの婦人科疾患などを予防する為
に行います。
その中でも乳腺腫瘍に関しては、避妊手術を行う時期によって
予防率が変わるため知識として知っておくことはとても大切です。
病気の予防以外にも「発情行動の消失あるいは軽減」や
犬では「生理が無くなる」、また野良猫の場合、
「飼い主のいない猫の過剰な繁殖を防ぐ」目的もあります。
避妊手術時期と乳腺腫瘍の予防率
乳腺腫瘍は犬で約50%、猫では約80%が悪性と言われています。
乳腺腫瘍は避妊手術をする時期で予防率が以下のように
変わります。
犬も猫も約2歳を超えると乳腺腫瘍の予防率は0%になって
しまいます。
2歳を超えたら避妊手術はできないの?
上記にあるように、乳腺腫瘍の予防率は年齢を重ねるにつれて
低下します。
しかし、2歳を超えたからといって避妊手術ができない
訳ではありません。
また、卵巣の腫瘍や・子宮などの婦人科疾患に関しては
年齢問わず避妊手術をする事で予防できます。
避妊手術のデメリットとしては、「全身麻酔が必要」
「術後、肥満のリスクが増えることがある」
「繁殖ができなくなる」ことが挙げられます。
猫の乳腺腫瘍
前述にある通り、猫の乳腺腫瘍は約80%が悪性と言われています。
また、悪性の乳腺腫瘍は進行度合いによって4つの
ステージにわかれます。
腫瘍の大きさ・リンパ節転移の有無・多臓器転移の有無で
判断され早いステージである程助かる可能性が高くなります。
猫の乳腺腫瘍は大きさが2cm以下で見つけられるかで
予後が大きく変わります。
あくまでも中央値ではありますが、腫瘍の大きさと
生存期間の中央値として
2cm以下→4.5年
2~3cm →2年
3cm以上→6ヶ月
とういうデータがあります。
この様に2cmを超えると生存期間が大幅に短くなることが
分かっています。
早期もしくは2歳未満で避妊手術ができなかった子は特に
注意して日頃からチェックをしてあげてください。
猫の乳腺腫瘍について、
乳がんで苦しむ猫をゼロにする。キャットリボン運動
というものがあります。
キャットリボン運動の公式サイトでは
猫の乳がんについてや、乳がんチェックのしかたなど
わかりやすく紹介してあります。
ぜひ一度ご覧ください。
↓キャットリボン運動公式ホームページ↓
最後に
避妊手術の時期によって乳腺腫瘍の予防率が変わることを
知らない方は少なくありません。
避妊手術は、もちろん全身麻酔のリスクや術後は生涯妊娠
が出来なくなるなどのデメリットもあります。
子犬を飼い始めた方で避妊・去勢手術を迷われている方は
ワクチン接種や予防薬処方の際などに獣医師に相談して
みると良いでしょう。
2歳を超えた場合でも、春のワクチン接種や
フィラリア予防で来院した際に相談してみるのもひとつです。
避妊手術をお考えの方は、まずは一度診察へご来院ください。