みなさんこんにちは。看護師の鈴木です。
ここ数日、夏のように暑い日もあったり風が強く
冷える日もあったりで服の調節が難しいです。
今日は暖かくなってきたちょうどこの時期から
増える外耳炎についてお話しします。
犬猫の耳の構造
耳の構造は「外耳」「中耳」「内耳」に分けられます。
犬猫と人とでは耳の構造が異なり、人は耳の穴から
鼓膜までの外耳が水平であるのに対し、
犬猫は外耳が垂直耳道・水平耳道とあります。
【人の耳の構造】
【犬猫の耳の構造】
外耳炎とは?
外耳とは耳の穴の入り口から鼓膜までを指し、
この部分に炎症が起こっている
状態を「外耳炎」といいます。
犬では外耳炎はとても多い病気で、
特に暖かくなってくる春先〜夏にかけて
多く発症します。
外耳炎の症状
・耳の痒み
・耳アカが増える
・耳のにおいが臭くなった
・何度も首を振ったり床に頭をこすりつける
外耳炎は痒みや、悪化すると痛みを伴います。
そのため、外耳炎による痒みや痛みの不快感から
機嫌が悪くなったりいつもより攻撃的になって
しまう子もいます。
外耳炎になる原因
・常在菌である細菌や真菌(マラセチア)の増殖
・アトピーやアレルギー
・耳ダニなどの寄生虫感染
・異物
一般的には細菌や真菌の増殖による外耳炎が多く、
春先〜夏にかけての暖かい時期や
多湿になる梅雨の時期は発症しやすい病気です。
また、垂れ耳の犬種や外耳道に毛が密に生えている
犬種は外耳炎になりやすいです。
綿棒での掃除、耳毛抜きは外耳炎のリスクに
犬猫の皮膚はとても薄いため、綿棒で耳掃除を
する事で耳の中の皮膚を傷つけてしまったり、
耳毛を抜く刺激で炎症が起こり逆に外耳炎を
引き起こしてしまう、症状を悪化させてしまう
場合があります。
シュナウザーやプードルでは定番となっている
耳毛抜きですが、耳毛が多く外耳炎を起こして
しまう子以外は推奨されません。
また、お家で耳掃除をする場合は、見える範囲を
優しく拭き取るまたは、洗浄液を耳の中に入れ
軽く揉んだあと残った洗浄液を拭き取ってあげて
ください。
耳の中に洗浄液を入れても大丈夫なの?と思う方も
いらっしゃるかもしれませんが
耳の洗浄液は水とは違い蒸発しやすい成分が
含まれているほか、犬猫はブルブルブルと耳を振る
ことでほとんどの水分が外に出されます。
外耳炎の治療
外耳炎の多くは、点耳薬を使い治療を行いますが
症状が悪化している場合は内服薬も使います。
アレルギーで外耳炎を起こしている場合は、
アレルギーに対する治療も行っていきます。
耳を触られることに慣れさせる
外耳炎の治療の多くは、自宅での点耳薬になります。
そのため、耳を触られることを激しく嫌がる子は
ご自宅での投薬が難しいため
治るまでに時間がかかってしまう事も少なくはありません。
投薬が必要な時に練習をしようと思ってもなかなか
上手くいかないため、日頃からスキンシップの
一環として顔まわりや耳を触わり、慣れさせて
あげましょう。
他にも、薬が上手にできたらご褒美をあげることで
薬=嫌な事ではないと教えてあげることも大切です。
「顔まわりを日頃から触っておく」
「薬ができたらご褒美をあげる」事は
点耳だけでなく、点眼や内服薬の投薬にも
繋げることができます。
また、涙やけ防止に涙を拭いてあげたり、
歯ブラシを使った歯磨きなどにも応用することができます。
最後に
外耳炎はひどくさせない事がとても大切です。
犬猫にとって耳の痒み、痛みはとても不快です。
その不快感を言葉で伝える事ができないからこそ
外耳炎にさせない、悪化をさせないように
これからの時期はいつもより少し気をつけて
見てあげてください。