みなさんこんにちは。看護師の鈴木です。
9月に入り、朝晩は少し過ごしやすくなりましたね。
季節の変わり目なので体調にはお気をつけ下さい。
今日は犬の誤食についてお話しします。
誤食しやすいもの
動物病院では愛犬が誤食をし、ご来院される方は
少なくありません。
特に誤食で多いものとして下記の物が挙げられます。
・口に入るサイズの小さなおもちゃ
・ジョイントマット
・アイスの棒や焼き鳥の竹串
・人間の薬
・タバコ
・観葉植物
・ゴキブリ駆除剤
・玉ねぎやチョコレート
誤食で起こる消化器症状と中毒
犬の誤食で心配なのは、食道・胃などを損傷したり
腸に誤食したものが詰まり腸閉塞を起こしてしまう事、
誤食した成分による中毒です。
食べた物によって症状は異なり、対処が遅れると
死に至る可能性もあるため誤食が疑われる場合は
すぐに動物病院を受診してください。
【腸閉塞の症状】
誤食をしてから、数時間〜1日、2日経って食欲が無くなり
嘔吐を繰り返す、便が出ない、腹痛などの症状がみられます。
特にヒモ状の異物が詰まると、巾着袋のように腸が締まり
広い範囲で損傷を起こすため非常に危険です。
【中毒症状】
中毒症状は、どの成分で中毒になったかで症状が
異なりますが誤食後に、嘔吐・下痢・よだれ・
震えが止まらない・痙攣を起こすなどといった症状は
中毒が疑われます。
誤食をしてしまったら
愛犬が誤食をしてしまったもしくは、誤食をした可能性が
高い場合は目安として食べた約2時間以内へ動物病院へ受診
することが推奨されます。
誤食をした場合、主な処置として胃の内容物を吐かせる
処置「催吐処置」を行います。
催吐処置は胃の中に食べた物が残っていないと出来ないため、
食べてから約2時間以内に行うことが推奨されます。
2時間を超えると、胃から腸へと食べた物が
吸収・流れてしまうため腸閉塞や中毒のリスクが高まります。
ただし、催吐処置は吐かせる事で胃や食道を傷つけて
しまう恐れのある物の場合は行うことが出来ません。
その場合は全身麻酔をかけ内視鏡で取る、もしくは開腹を
し摘出するようになります。
誤食をした、誤食をした可能性があり受診する際は
「食べたものが何か」「食べた物のサイズや量」
が分かるとスムーズに処置が行えます。
また、実際に食べた物や食べた物のかけらがあればご持参下さい。
誤食を防ぐためにできる事
一度誤食をした子は、かなり高い確率で
再度誤食をしてしまいます。
そのため、人側が注意をし再発を防止しなければなりません。
【家の中の環境整備】
犬が飲み込めるサイズの物は床や犬が届く高さに置かない
ようにします。
特に小さいサイズのおもちゃや中毒を起こす可能性のある
観葉植物や薬、食品などはしっかりと管理をしましょう。
【しつけ】
誤食をしてしまう子は、お留守番の時にケージや
サークル、特定の部屋のみで過ごさせると
室内を荒らしたり、誤食をする機会を減らすことが出来ます。
ケージやサークル内でペットシーツをビリビリに破いて
しまう場合はメッシュ付きのトレーを使用すると良いです。
他にも、くわえたおもちゃを「はなせ」や「アウト」など
といった合図で離す遊びが出来ると誤食の対策になります。
【運動量・活動量を増やす】
犬は退屈な時間が多いと、近くにある物をかじったり、
壊す様な行動をとることがあります。
特に、お留守番が長い場合などは散歩の時間を増やしたり、
人がいる時間は愛犬と遊ぶ時間を増やしたり、
また知育トイなどを使い頭を働かせることで体力を
使わせる方法もあります。
まとめ
誤食してしまった時、物によってはそのまま便で排出され
ることもあったり大きく体には影響のない場合もあります。
しかし、全身麻酔下での処置や手術が必要になる、
中毒を起こし死に至る危険もあります。
愛犬が誤食をした場合は、自己判断でそのままにしていたり、
むやみに吐かせようといった行動は愛犬の命をより危険に
さらしてしまいます。
すぐに動物病院へ連絡、もしくは受診して下さい。
その際は、「なにを、どれくらい食べたか」
「食べてからどれくらい時間がたっているか」
が分かる様にしておきましょう。