知ってますか?人獣共通感染症

こんにちは、看護師の廣畑です。

あっという間に4月が終わりますね。

この時期が1番過ごしやすくて、夏が来て欲しくないです…。

 

今回は人獣共通感染症(ズーノーシス)について

話していきたいと思います。

人獣共通感染症は、人も動物も感染する感染症のことです。

よく知られているのは、狂犬病だと思いますが

その他にも、たくさん人獣共通感染症はあります。

人の感染症の約1700種のうち、約半分の800種は

人獣共通感染症です。

その中で、約40種が日本国内で問題となっています。

今回は、レプトスピラ症、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)、

皮膚糸状菌症の3つについて話していきます。

レプトスピラ症

レプトスピラ症は、主にドブネズミが感染源となる、細菌感染症です。

原因菌となるレプトスピラ菌がネズミの尿から排泄され、

排泄された尿に汚染された、川や土壌で皮膚を通して感染します。

猫での発症の例はほとんどないです。

犬のレプトスピラ症は、届出伝染病に指定されています。

日本国内での感染の報告は、毎年30〜40件程です。

感染頭数は多くないですが、福岡でも感染の報告はあります。

 

【感染経路】

菌をもった、ネズミや動物の尿に直接触れることや

尿に汚染された、土壌や水に接触することで感染します。

 

【症状】

発熱、食欲不振、黄疸、腎不全、尿毒症を起こし

亡くなることもあります。

人は風邪のような症状がみられる、軽症な場合と

黄疸や出血などが起こり、重症化する場合があります。

 

【予防について】

犬のレプトスピラ症はワクチンがあります。

川や山などアウトドアによく行く子や

普段の生活でネズミがいるような場所に行く場合には、

レプトスピラのワクチン接種をお勧めします。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

SFTSはウイルス性の感染症です。

ウイルスをもつマダニに寄生、吸血されることで、感染します。

SFTSは比較的新しい病気で、不明な部分が多いです。

日本での発生は西日本が中心で、人への感染は、

マダニの活動が活発になる初夏〜夏にかけて発生数は増えています。

 

【感染経路】

マダニから人や動物、動物から人、

人から人に感染をします。

 

【症状】

犬・猫

元気食欲がなくなる、発熱、下痢などです。

犬は感染しても無症状の場合もありますが、

亡くなることもあります。

猫は犬と比べて、重症化することが多く、

致死率は60%以上となっています。

発熱、嘔吐、下痢などです。

 

【予防や対策について】

SFTSに、ワクチンはありません。

犬猫の予防としては、ダニの予防薬の使用

草むらなどマダニがいる場所にできるだけ、

入らないようにしましょう。

皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症は、真菌と呼ばれるカビの感染症です。

名前の通り、皮膚の感染症で、脱毛や皮膚の痒みがおこります。

皮膚糸状菌症は、接触感染をします。

動物同士、動物と人の接触だけでなく、

感染した動物を触った人が、その手で他の動物を触ることで

間接的にも感染します。

感染力が高い為、多頭飼いの場合、1頭感染すると

その他の子も感染してしまうことがよくあります。

また、免疫力が低下している場合に感染しやすく、

成犬成猫より、子犬子猫の方が感染しやすいです。

人でも子供やお年寄りの方の方が注意が必要です。

 

【症状】

円形の脱毛、フケ、痒みなどがみられます。

手足や耳、顔周りによく症状が出ます。

 

【予防や対策について】

ワクチンや予防薬などはありません。

子猫に感染していることが多い為、

保護した場合や、飼い始めは特に注意して

観察しましょう。

脱毛などがみられる場合は、早めに受診してください。

また、人への感染を防ぐ為には、感染した動物を触った後

しっかり手洗い、消毒をすることが大切です。

 

最後に

今回紹介した、人獣共通感染症は3つですが、

この他にもたくさんあります。

中には、ワクチンや予防薬などがあり感染を

予防できる病気もあります。

人獣共通感染症に関わらず、ワクチンやフィラリア、

ノミダニの予防でお家の子の身を守りましょう。

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