みなさん、こんにちは。院長の諏訪です。
突然朝晩がどんと冷え込むようになってきました。
昼間は気温が上がり、体が変化についていけず、
心配になります。
同じように犬や猫も気温の変化によって
体調に変化をもたらします。
小さな変化に早めに気づいてあげてください!
難しい論文の話の前に、お知らせです!!
10月22日は「キャットリボン」の日です。
キャットリボン運動についてはコチラの記事を参照してください!
→乳がんはお家で見つける病気!
僕も猫の乳腺癌を一人でも減らしたい!と日々思いながら
診察をしています。
この日にオンラインでイベントがあります。
日本を代表する獣医師の先生方のレクチャーや行動学、
さらにはプロのカメラマンの方によるSNS映えする写真の撮り方など
多くの話が盛り沢山です!
お時間のある方は少しだけでものぞいてみてはいかがでしょうか?
下の画像をクリックしていただければ、イベント会場へいけます!
さて、タイトルや猫とは全く違う論文のお話。
いつも僕の継続的な勉強のためにこの場をお借りしてしまい、
申し訳ありません。。
本日は、「ビンクリスチン投与による血小板数の変化とその機能」
についての論文です。
ビンクリスチンというお薬は抗がん剤の一種になります。
抗がん剤の一つではあるものの、
別の作用として血小板を増やす効果があります。
その作用機序として、
・血栓形成の促進
・マクロファージによる血小板貪食の抑制
・抗血小板抗体の産生と結合の抑制
などです。
これらは全て仮説の話になりますが、
このような機序で血小板数を増やすと考えられます。
投与量は通常の抗がん剤として用いる際の1/10量で投与します。
特に免疫介在性血小板減少症(ITP)などの治療によく用います。
ITPについてはコチラの記事も参考にしてください。
→免疫介在性血小板減少症(ITP)について
一方で昔から、このビンクリスチンの投与によって
増加した血小板は本当にしっかり機能しているのか、
議論がなされていました。
この論文では、ビンクリスチン投与後の成熟血小板と
網状血小板の機能を比較して評価することを目的としています。
ビンクリスチン投与前と投与後(3、5、7日目)で
自動血小板機能分析装置(PFA-100)を用いて評価しました。
その結果、投与後に増加した血小板は投与前よりも
より高い活性を有しており、細胞表面マーカーなどの発現も
差がないことがわかりました。
これらのことから、ビンクリスチンの投与によって
増加する血小板もしっかり機能することが母集団は少ないですが、
科学的に証明されたことになります。
元々、経験的に機能はしているだろうと思っていましたが、
やはりこのような科学的な裏付けができた基礎研究は
とても大事だと思います。
これらの一つ一つの研究の上に今の医療が成り立っており、
研究してくださる先生方に感謝しないといけません。
原文はコチラ→Platelet number and function in response to a single intravenous dose of vincristine
すわ動物病院では公式LINEアカウントにて
毎月の診療時間や、診療時間変更があった際には
最新の診療時間を随時お知らせしています。
他にも、フードの注文がLINEからもできたり、
毎週火曜日更新のタメになる!スタッフブログも
気軽に閲覧することが出来ます!☺️🎉
ぜひご登録ください🐶😸💕