皆さんこんにちは、看護師の廣畑です。

4月が近づいてきて、少しづつ暖かくなってきました。

季節の変わり目は、人も動物も体調を崩しやすいので、

十分気をつけてください。

 

今回は、犬の外耳炎についてお話ししたいと思います。

ある保険会社の統計によると、

犬の傷病別ランキング1位が外耳炎です。

それくらい犬の外耳炎で来院される方は多いです。

外耳炎とは？

耳の入り口から鼓膜までが外耳になります。

その外耳に起こった炎症のことを外耳炎といいます。

外耳炎の原因

犬の外耳炎の主な原因は、

⚫︎アレルギー

食物アレルギーや環境アレルギーがある場合、

外耳炎を起こしやすくなります。

⚫︎異物（毛、砂、植物など）

耳道内に外から異物が入ることで、刺激が原因となり

外耳炎が起こります。

⚫︎寄生虫

ミミヒゼンダニという寄生虫が外耳炎を起こします。

痒みが強く、黒~茶褐色の耳垢が多く見られます。

⬇︎顕微鏡で見たミミヒゼンダニ

⚫︎細菌、真菌

正常な時でも、耳の中に細菌や真菌はみられますが、

その菌が増殖することで、外耳炎が起こったり、

悪化しやすくなったりします。

⬇︎マラセチアとよばれる真菌

外耳炎は、冬場より春〜夏場の暖かい時期の方が起こりやすいです。

暖かい時期に起こりやすいのは、気温や湿度が上がり蒸れやすくなるからです。

また、垂れ耳の子や耳毛が多い子は特に、外耳炎になりやすいです。

外耳炎のサイン

⚫︎耳が臭う

⚫︎耳垢が多い

⚫︎頭をふる

⚫︎耳を触られるのを嫌がる

⚫︎耳を掻く

⚫︎耳を擦りつける

（カーペットや床、家具に耳を擦りつけるような仕草）

外耳炎を放っておくと、中耳炎や内耳炎を

引き起こすことがある為、何かしら症状が見られる場合は、

早めに受診するようにしましょう。

お家で耳のお手入れは必要？

お家で耳掃除をした方がいいですか？とよく聞かれますが、

基本的には、お家で耳掃除する必要はありません。

特に、綿棒を使った耳掃除はしないようにしてください。

綿棒を使うと、耳垢をどんどん奥に押し込んでしまいます。

 

耳が汚れていると掃除をしたくなりますが、

耳が汚れている時や定期的な耳掃除は、

ペットサロンや動物病院ですることをお勧めします。

お家で耳掃除をするとしても、見えている汚れを

優しく拭き取るくらいにしましょう。　

最後に

これからの時期は特に、外耳炎になる子が増えます。

症状が軽いうちに治療をして、外耳炎の悪化や

内耳炎などを起こさないようにしましょう。