血液内科
免疫介在性血小板減少症 (ITP)
免疫介在性血小板減少症 (ITP)
何らかの原因により抗体や補体といった免疫が血小板を破壊する病態です。
血小板は血を固める働きをするので、その血小板がなくなると体の色々な部分から出血がおこってしまいます。
他の免疫疾患と同様に、治療は積極的かつ迅速な対応が必要となります。
【症状】
血小板減少症に関連した臨床症状(皮下出血、口腔粘膜や強膜からの出血、便が黒い、血尿など)がみられます。
重度の場合は、急性出血や貧血で重篤な状態となる場合があります。
【診断】
著明な血小板減少症がみられ、各種検査によって他に疾患が認められない場合、除外診断されます。
【治療】
ステロイド剤が第一選択となります。免疫抑制剤を併用することもあります。
貧血が重症な症例では必要に応じて輸血が必要になります。
【予後】
免疫抑制治療に反応する場合、予後は比較的良好な症例もいますが、
再発する症例や、治療反応が悪い場合は死亡する症例もいます。
【参考文献】
Putsche JC, Kohn B. Primary immune-mediated thrombocytopenia in 30 dogs (1997-2003). J Am Anim Hosp Assoc. 2008 Sep-Oct;44(5):250-7.
Botsch V, Küchenhoff H, Hartmann K, Hirschberger J. Retrospective study of 871 dogs with thrombocytopenia.
Vet Rec. 2009 May 23;164(21):647-51.