ミニチュアダックスフンドの骨髄疾患

みなさん、こんにちは。院長の諏訪です。

オクラの収穫時期になりました!
どんどん生えてきます。ニョキニョキ出てきます。楽しすぎてくせになりそうです。

一方できゅうりは、
こんな感じで、収穫はできるものの、多くのキュウリは育つ前に枯れてしまいます。
摘心、摘葉を行い、肥料なども上げつつ、水も毎日欠かさずあげているのですが、なかなか育ってくれません。
小さいキュウリがある一定ラインを越えると大きくなってくれるんですが。。
難しいです。みなさんのアドバイス、お待ちしております。

さて、今日は2020年にThe Journal of Veterinary Medical Scienceで報告された東大のグループが出した論文のお話です。
「ミニチュアダックスフンドの骨髄疾患の臨床的、臨床病理学的特徴とその結果」というタイトルです。

非再生性貧血を認めた非腫瘍性の骨髄疾患の33症例のうち、実にダックスフンドは22例でした。
オッズ比は12.2倍。(一般的な犬に比べ、ダックスフンドは12倍このような疾患に罹りやすいといえます)
さらに21例のダックスフンドのうちオスは7例、メスは14例でした。
骨髄検査の結果として、赤芽球系では核分裂が15例、顆粒球系では輪状好中球が5例、巨核球系では多核の異型巨核球が
13例で認められるなど、全体を通して、一つ以上の異型性所見を全ての症例で認めました。
さらにPIMAの論文でいわれるような貪食細胞は1例にも認めませんでした。(PIMAに関してはコチラも参照)
骨髄のコア生検では中等度から重度の線維化を6例で認めました。

全ての症例でプレドニゾロンによる治療が行われました。
さらにシクロスポリンやミコフェノール酸モフェチル、レフルノミド、アザチオプリンといった
免疫抑制剤も併用されました。
治療反応や予後が評価できたのは19例で、そのうち3例はステロイドのみで反応し、6例はステロイドと免疫抑制剤の
併用により反応しました。治療開始から反応が見られるまでの中央期間は78日(61-150日)でした。
また10例は治療開始から6ヶ月では治療の反応が見られませんでした。
9例の治療反応群と10例の治療非反応群において、非反応群では血小板数の増加、過分葉好中球の増加、紡錘形血小板の
増加が優位に認められました。
血小板数のカットオフを111.5万/μLとした場合、それを超えた群の生存期間中央値は354日、超えない群は878日でした。

ダックスフンドにみられる非再生性貧血を示す骨髄疾患は、MDS(骨髄異形成症候群)とNRIMA(非再生性免疫介在性貧血)の
両者に類似した臨床病理学的特徴を有しているように考えられました。
人のMDS-U(分類不能型骨髄異形成症候群)やMDS/MPN-uに類似した疾患である可能性も考えられました。

ここまでが文献の簡単な内容になります。
確かに、ミニチュアダックスフンドの非再生性貧血はほかの犬種に比べ、治療反応や経過が違う点が多いと思います。
少し違う病態があるかもしれないといったこの報告は大変興味深いものです。
今後の症例の蓄積による、病態解明が非常に期待されます。

8月に入り、とても暑くなってきました。
朝でも30℃近くあります。くどいようですが、熱中症にはくれぐれもご注意ください。

現文はコチラ→https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32307340/

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