脱水と熱中症

みなさん、こんにちは。看護師の鈴木です。

長く続いていた雨もやんで、

夏らしい天気になりました☀️

雨の日はセミの鳴き声が聞こえないですよね…

セミは羽が濡れると飛べなくなるので

雨の日は木の中や落ち葉の下に

隠れているそうです🍂

なので、オスのセミは雨が降ると交尾相手の

メスが飛んでこないので鳴かなくなるそうです…

今日は、これから暑くなるにつれて気をつけたい

脱水と熱中症についてお話しします。

動物の体の約60~70%は体液(水分)で、

細胞内液、細胞間質液、血漿として

体の各部分に分布しています。

そのうち10%を失うと健康が脅かされ、

20%を失うと死を招くと言われています。

脱水のメカニズム

脱水は、体からの水分喪失量が水分摂取量を上回る

ことで起こります。

少し難しいですが、脱水とは厳密には

高張性脱水と低張性脱水に分けられます。

高張性脱水と低張性脱水の大きな違いは、

電解質です。

水分と共に電解質も体外に流出し、

水分欠乏量よりも電解質欠乏量の方が

上回った場合低張性脱水となります。

反対に、水分のみが体外に流出し

電解質欠乏量よりも水分欠乏量の方が

上回った場合高張性脱水となります。

嘔吐・下痢が続く場合は水分と共に電解質も

体外に排出されるため注意が必要です。

水分が失われる原因

・気温上昇

・体温上昇

・下痢/嘔吐

・重度の出血

・授乳

飲水量を増やす方法

こまめに水を飲ませる他、フードに水を加える

またはフードをふやかしてあげることで

飲水量を増やすことができます。

他にも、特に猫の場合流れる水を好む子も多いため

循環式の自動給水器を使うのも良いでしょう。

この時期気をつけたい熱中症

この時期、人だけでなく犬猫でも気をつけたいのが

熱中症です。

熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで

体温が上昇し熱が高くなるおよび脱水によって

起こります。

地面からの距離が近い犬猫は、地面からの熱を

もろに受るため熱中症になりやすいので

注意が必要です。

また、人は全身で汗をかくのに対して犬猫は主に

肉球でしか汗をかくことができないため

発汗をして体内の熱を下げることが難しいのも

熱中症になりやすい原因の一つです。

室内では風通しを良くし温度管理をしてあげ、

ペットが自由に居場所を

選択出来るようにしてあげましょう。

屋外では気温の高い時間帯には外に出さない、

もしくはこまめな給水を心がけ

時には体に常温の水をかけ冷やしてあげるのも

良いでしょう。

車内ではエンジンを切って閉め切ったままの

車内に残すことはやめましょう。

熱中症の症状

初期の場合

・パンティング

(舌を出しハァハァと激しく呼吸する)している

・よだれが大量に出ている

・心拍数が増加している

重篤化した場合

・ぐったりとし、意識がない

・下痢/嘔吐/震えを起こす

・呼びかけにも反応しない

熱中症は命に関わります。

初期段階であっても、早めに近くの動物病院へ

行ってください。

特に注意が必要な犬種・猫種

短頭種

短頭種(鼻の短い種類)は気道が短く、

他の犬種・猫種よりも呼吸による体温調節が

苦手なため熱中症になりやすいので、

思っている以上に細心の注意が必要です。

また、パンティング時にも気道が短いまたは

軟口蓋が長いことにより

上手く呼吸ができず呼吸困難になりやすいのも

特に注意が必要な理由の一つです。

(例)

犬:フレンチブルドッグ、パグ、シーズ、

ペキニーズなど

猫:ペルシャ、エキゾチック、ヒマラヤンなど

肥満・高齢動物

肥満体型の場合、体内に熱がこもりやすく

首周りの脂肪によって呼吸がしにくく

呼吸による体温調節が苦手なため熱中症に

なりやすいです。

また、高齢動物では体力が低下しているのに加え

認知機能が低下している場合には

自ら水を飲もうとせず体温上昇とともに

脱水を引き起こしやすくなります。

熱中症の応急処置

【すぐにやること】

・常温の水をかける

・濡らしたタオルなどで体を包む

・涼しい場所で風を送る

【冷やす場所】

太い血管がはしっている、首周りや脇の下、

後ろ足の付け根などを冷やしましょう。

 

夏場は夕方でも、まだまだアスファルトは

熱くなっていて外気温も高く熱中症のリスクが

あります。

散歩は涼しくなった時間帯に行き、

この時期のお出かけの際には

必ず、飲水・タオル・冷却グッズなどは

持っていくようにしましょう☺️

PAGE TOP