猫の髄膜腫ってどんな病気？｜けいれんすることがあるのは脳の腫瘍のせいかも？

猫の髄膜腫とは脳の表面にあるくも膜という部分に出来る腫瘍のことです。
「猫の髄膜腫ってどんな病気？」
「脳の腫瘍ってことは悪い腫瘍？」
「猫の髄膜腫にはどんな治療法があるの？」
こういった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

今回は猫の髄膜腫の症状や治療法について解説します。
ぜひ最後まで読んで猫の髄膜腫について理解を深めましょう。

猫の髄膜腫とは

猫の髄膜腫とは脳にできる腫瘍の一種です。
猫の脳腫瘍の90％が髄膜腫であると言われています。
脳を包む膜は外側から硬膜、くも膜、軟膜という3層に分かれています。
髄膜腫はくも膜に出来る腫瘍のことです。
猫の髄膜腫の多くは、他の臓器にがん細胞が移動してしまう転移や、周囲の組織にがん細胞が広がっていく浸潤などをしない良性の腫瘍です。
しかし良性ではあるものの、脳に出来る腫瘍であるため神経症状などが出てしまい生活に支障がでやすい腫瘍でもあります。

猫の髄膜腫はどんな症状が出るの？

猫の髄膜腫は腫瘍が脳を圧迫することで

• けいれん
• ふらつき
• 元気食欲の低下

などの神経症状が見られることが多いです。
猫の髄膜腫は犬と比べると症状が出づらく、なんとなく普段と違う行動しかとらないこともあります。
腫瘍が大きくなるとけいれん発作などが起こる確率があがります。
けいれんは繰り返すと命にかかわることもある症状です。

髄膜腫は異常な行動から見つかる？

猫の髄膜腫は犬と比べると症状が出づらいです。
ですが猫の普段とは違う異常な行動から髄膜腫を疑うことができます。
異常な行動と言われてもどんな行動かわかりませんよね。
猫の異常な行動には

• 頭を壁におしつける
• ぐるぐると意味もなく回る
• 急に怒りやすくなる

などがあげられます。
猫が普段と違う行動をするのはご家族の目には可愛くうつってしまうかもしれません。
しかし普段と違う行動は異常行動の可能性もあります。
ご家庭では一見すると異常なのか正常なのかわかりにくいと思います。
最近普段と違う行動をするな、何か気になる動きをしているなと思ったらぜひ動画を撮って動物病院へご相談ください。

猫の髄膜腫の検査方法は？

猫の髄膜腫はレントゲン検査や血液検査では発見することができません。
猫の髄膜腫の検査は全身麻酔をかけた上でMRIを使った画像検査が必要になります。
できものが腫瘍かどうかを調べるためには、腫瘍の細胞を採取して病理検査に出すのが一般的です。
ですが髄膜腫の場合は脳の中の腫瘍のため、細胞を一部だけ採取するのは難しくなります。
そのため猫の髄膜腫はMRIによる画像検査と症状から診断します。

猫の髄膜腫はどうやって治療するの？

猫の髄膜腫は外科手術で腫瘍を摘出してしまうのが一番の治療法です。
髄膜腫の手術は全身麻酔が必要なことに加え脳の手術は専門的なため、大学病院や高度医療施設での処置が必要です。
年齢や腫瘍の大きさなどの問題で麻酔での外科手術が難しい場合は、対症療法を行います。
けいれんがある場合は抗けいれん薬などでけいれん発作を抑えます。
加えて腫瘍そのものに対してはステロイドなどで脳の炎症を抑えることで症状のコントロールが可能です。
対症療法だけでは完全には進行はとめられないため、徐々に症状は悪化してしまいます。
良性の腫瘍であっても外科手術による摘出が最善であることには変わりありませんね。

まとめ

猫の髄膜腫は良性の腫瘍であることがほとんどです。
脳に出来る腫瘍のため、良性であっても放置すると症状が進行し生活に支障が出てしまいます。
腫瘍の状態によっては外科手術によって摘出が可能です。
猫の髄膜腫は脳腫瘍のため外科手術には専門的な技術が必要になります。
検査や治療方法に関しては獣医師とよく相談する必要があります。
当院は腫瘍科の診察に力を入れています。
最近猫の元気がない気がする、けいれんが起こっている気がするなど何か気になる症状がある場合はぜひ当院へご相談ください。

福岡県春日市の動物病院
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