犬の好中球減少症について|元気がない原因は免疫の異常かも?
犬にはさまざまな原因で血液に異常が起こる病気があります。
その一つが好中球減少症です。
好中球減少症とは血液にある白血球の一種である好中球が減ってしまう病気です。
好中球減少症には遺伝性や免疫介在性、周期性などが存在します。
今回は、犬の免疫介在性好中球減少症について詳しく解説します。
「免疫介在性好中球減少症ってどんな病気?」
「どうやって治療するの?」
「免疫介在性好中球減少症は予防できるの?」
このような疑問をお持ちの方も多いかと思います。
ぜひ最後まで読んで、免疫介在性好中球減少症について理解を深めましょう。
犬の免疫介在性好中球減少症とは?
犬の免疫介在性好中球減少症は、免疫系の異常によって好中球が減少する病気です。
好中球は白血球の一種で、細菌などが体内に侵入してきたときに排除する役割を持っています。
免疫介在性とは、本来体の防御システムである免疫が異常を起こすことで症状を引き起こすことをいいます。
免疫介在性好中球減少症は犬の体の免疫システムに異常が生じて、自分の好中球を攻撃してしまうことでおこる病気です。
4歳未満の若い犬で発症することが多いのが特徴です。
免疫介在性好中球減少症はどんな症状が出るの?
免疫介在性好中球減少症では、好中球の数が減少するため細菌感染に対する抵抗力が低下します。
免疫介在性好中球減少症になると
- 元気がなくなる
- 食欲が落ちる
- 発熱が続く
- 口の中や歯ぐきの炎症
- 傷の治りが遅い
- 関節の腫れや痛み
などの症状が出ることがあります。
これって免疫介在性好中球減少症?
好中球減少症の診断ではまず血液検査での好中球の値が重要です。
しかし血液検査で好中球の値が低かったからと言って必ず好中球減少症を疑うわけではありません。
健康診断で好中球の値が低く出た場合、「もしかして好中球減少症かも?」と心配になりますよね。
症状がほかにない場合
犬の場合激しい運動をした後に採血や検査をすると一時的に好中球が低く出ることもあります。
他に症状がない場合は特に心配しなくてもいいケースもありますね。
血液検査の結果が心配な場合は獣医師に相談してみましょう。
免疫介在性好中球減少症以外で好中球が減る場合
免疫介在性好中球減少症でなくても好中球が減ってしまう場合もあります。
例えば
- ウイルス感染
- 薬の副作用
- 栄養不良
- 先天的に好中球が低い
などです。
血液検査で好中球が低いのに加えて、熱や元気がないなどの症状がある場合はまずウイルス感染などを疑います。
ウイルス感染の可能性もなく、他の病気の可能性も低い場合に初めて免疫介在性好中球減少症の診断がつきます。
好中球が低いからといって必ず免疫介在性好中球減少症というわけではないですね。
免疫介在性好中球減少症はどんな治療をするの?
免疫介在性好中球減少症の治療は、自己免疫の異常を治すことが基本となります。
ステロイドなどの免疫抑制剤を使うことで免疫を抑えて好中球への攻撃をとめることが第一選択です。
好中球が減少している間は、細菌感染を予防するために抗生剤などもあわせて使用するとがあります。
好中球が減少していると命に関わる感染症にかかってしまうことがあるため、早期の治療が大事ですね。
免疫介在性好中球減少症は予防できる?
免疫介在性好中球減少症は明確な予防方法がありません。
見た目ではわかりにくい病気なので、普段から動物病院で健康診断を受けておくことが大事ですね。
犬の元気がなくなったり発熱が続いたりする場合は早めに動物病院を受診しましょう。
まとめ
犬の免疫介在性好中球減少症は、免疫の異常によって好中球が減少し、細菌感染しやすくなる病気です。
早期に治療することで、犬が命に関わる感染症にかかることを防ぐことができます。
当院は血液内科の診療に力を入れています。
犬の発熱が続いている場合や、傷が治りにくいなどの症状がある場合はぜひ当院へご相談ください。
福岡県春日市の動物病院
すわ動物病院