輸血後のPCVの時間変化について

みなさん、こんにちは。院長の諏訪です。
今日から12月です。今年も最後の月となりました。
やり残したことはないか?と考えると、やり残したことだらけです。
日々の生活に追われてしまって、やりたいことがうまくできなかったとも言えますが、
時間の作り方がよくなかったのだと反省しています。
今日という日は二度と来ない、今日は手を抜くなんてことはあり得ない、そう言い聞かせ、
もったいない日がないようにしていきたいです。
鬼滅の刃、流行ってますね!
映画も漫画も見ていないのですが、新幹線を発見してテンションが上がってしまいました。

さて、本日は、2020年に報告されたとても新しい論文です。
Journal of Veterinary Emergency and Critical Careに掲載されたもので、
内容は「貧血の犬に輸血した後のPCVの時間変化」についてです。
基礎的な分野ですが、とても参考になる論文でした。

研究内容

46頭の貧血の犬を対象とし、50回の輸血における、
輸血前(T0)、輸血直後(T1)、30分後(T2)、1時間後(T3)、2時間後(T4)、4時間後(T5)のPCVを測定。
貧血の原因により、PCVの時間経過に違いがあるのかなどを比較検討した。

結果

貧血の原因はIMHAが17頭、非再生性のIMHAが7頭、再生像不明のIMHAが3頭、
消化管出血、ITP、腹腔内出血などの症例が含まれた。
 PCVの中央値はT0:15%、T1:28%、T2-5:27%であった。
興味深いことに、再生性貧血や出血、溶血などの貧血の原因によらず、どれも同じ結果であった。
言い換えると、どの病気であっても、輸血直後と4時間後のPCVは変わらないということになる。

とても簡単ですが、ここまでが論文の内容です。
ようは、疾患によらず、輸血後4時間まではPCVが同じであるということです。
これはなんだ、そうなのかレベルの話にみえますが、
実際の臨床現場ではとても役立つかもしれません。あまりこのようなPCVの変化を追いかけた論文はありませんので、
輸血後どのくらい時間が経てば血液検査をしていいのか?など曖昧な点も多いと思います。
この論文では直後で十分であるということでした。

ドナー登録のお願い

最近は輸血をする機会が多くなってきました。
現在最も困っているのはドナー犬の確保です。
(猫は当院のあずきとしらたまが、がんばってくれています!)
輸血を必要とする時は緊急性が高く、なかなか必要なときにすぐに手に入らないのが現状です。
人のように血液バンクなどがあるわけでもなく、毎回ドナー犬を探しています。

当院ではドナー登録をしてくださる方を募集しています!
体重15-20kg以上の犬で、ワクチン接種、狂犬病予防接種やフィラリア、ノミダニ予防をされている
7才以下の雄、もしくは避妊済みの子が対象となります。
もしご協力いただける方がいましたら、お電話やLINEにて是非ご連絡ください。

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原文はこちら→The effect of time on packed cell volume following packed red blood cell transfusion in anemic dogs

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