お盆期間には要注意!~犬猫のユリ中毒~

みなさん、こんにちは。看護師の鈴木です。

毎日暑い日が続いていますね🥵

セミの鳴き声が、より暑さを増している感じがします笑

お盆も近くなり、お供物を揃え始めたご家庭も

あるのではないでしょうか。

この時期、特に注意しなければいけないのが、

ユリ中毒です。

香りもよく、大きく開く花びらが特徴のユリですが

ユリは、沢山ある犬猫にとって中毒となる物の中でも

花びらを舐めてしまうだけでも中毒になってしまう程、

危険な花です。

ユリ中毒は中でも猫で起こりやすいと言われています。

猫は新しい植物などがあると好奇心を持ち、

匂いを嗅いだり舐めてみたり、時にはかじってしまう事も

あります。犬でもこの様な行動をしてしまう子では

要注意です。

ユリ中毒とは

ユリ中毒では急性の腎不全を引き起こします。

ユリの花弁、葉、茎、球根、花粉やおしべなどの

どの部分にも毒性がありユリをいけていた

花瓶の水を飲んでしまっても中毒が起こる

言われています。

ユリだけでなく、ユリ科の植物でも同様の中毒が

起きます。

ユリ中毒の症状

中毒によって急性の腎不全が起こるため

多飲多尿、嘔吐、食欲不振、元気消失などが起こり

悪化すると腎臓が全く機能しなくなり、

次第に尿量が減り、無尿になります。

腎臓という臓器は1度悪くなると、元の正常な腎臓に

戻ることはありません。

そのため、腎臓が機能せず尿から体の毒素が

排出できなる事で全身に毒素がまわり、

尿毒症を引き起こし痙攣をする事もあり、

最終的に死に至ります。

ユリ中毒の原因

現在、ユリ中毒の原因となる物質は特定されていません。

先ほど記述したように、ユリだけでなくユリ科の植物でも

同様の中毒が起きるため

◯◯ユリという名前の花だけでなく、

カサブランカやチューリップでも同様の中毒が起きます。

ユリ中毒の治療

摂取直後であれば、催吐処置や胃洗浄、活性炭で

中毒物質を吸着させるなどして中毒の発症を抑えます。

摂取から時間が経ってしまい、中毒を発症してしまうと

中毒成分を中和する治療はなく、急性腎不全に対する

治療を行います。

入院により静脈から点滴を流す他、薬を入れて

腎臓の機能を手助けしてあげる治療を行います。

重度のユリ中毒が起こってしまうと治療を行っても

経過は厳しく死に至る事が多いです。

ユリ中毒の予防

基本的に予防法としては、犬猫の手の届くところに

ユリ科の植物を置かない事です。

ユリ科の植物といっても種類は豊富です。

その為、特に猫を飼っているご家庭では

場合によっては「植物を家に置かない」までの対策を

取っても良いかと思います。

また、家の中だけでなく庭に植えていたり、

散歩の道中に咲いていたりすることもあるので

屋外に出る際や屋外に出る猫では注意が必要です。

最後に…

ユリ科の植物に触れてしまった、食べてしまった可能性が

少しでもある場合は待たずに、なるべく早く

動物病院に行きましょう。

犬猫は、全く悪気はなく好奇心で植物の匂いを嗅いで

みたり、かじってみたり触ってみたりします。

◯◯してしまうかもしれない…と少し気を配ってあげる

ことで防げる病気、怪我も多いかと思います。

毎月の予防や定期的な健康診断だけでなく、

こういったほんの少しの気配りも

愛犬・愛猫の健康に繋がるのではないでしょうか🍀

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